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たった1%の確率に


今日は昔のお話し、
私が介護ヘルパーとして働いていた時の話しです。

O次郎とは関係ないお話しなので
興味のない方は、スルーでお願いしますね。


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【御年81才、Sさんは元警視庁殺人課の警部】
私がヘルパーとして働いていた時に
週1で1時間のお掃除担当になりました。。

Sさんに会うといつも
【銭形のとっつぁん~♪】
とルパンの声で叫びたくなるようなそんな方だった。

zenigatanotocyan.jpg


81才という年齢だけど、見た目は60代☆
お部屋には、いつもトレンチコートが掛けてあり
とても身なりのおしゃれなおじさまという感じです。

早くに奥様を亡くされて
一軒屋に一人暮らし。

家事も掃除もマルチにこなす
とても紳士的な方だった。

81才という年齢から、ひざが悪く
前かがみになることが困難になり
雑巾がけが出来ないという事で
支援を依頼してきたようだ。


そんな銭形さん!
宝塚がお好きで
趣味は社交ダンス。

ちゃーーんと彼女もいらして
毎週1回、大阪のミナミまでお出かけして
彼女と社交ダンスを楽しまれるほど
元気ハツラツとされていた。


そんな銭形さんが、ある日私にこう話しかけて来た。

「おかかさん、僕はね昔から心臓が悪くてね、(おかかさん=名字)
 少し欠陥があるんですよ。

医者からは早くに手術をすすめられていたのだが
中々タイミングが無くてね。
元気なのでついつい先延ばしにしてしまった。

手術は簡単らしいので
今のタイミングで受けようと思うんです。」




なぜこんな大切な話しを私にするのだろう?
80才で心臓の手術とか大丈夫なのかなー?

疑問に思いながらも
私はこう答えた。

「心臓といえば、身体の中で最も大切な臓器ですからね。
ココが止まってしまうと=死んでしまいますから。
おひとりで決めずに、よくよく慎重に考えて、
娘さんと相談しながら、決めて下さいね。」


すると銭形さんはこう言った。

「いや~大丈夫!H医大の名医から99%大丈夫だ!
と言われてるので、間違いないでしょう!ハハハ!」





その数か月後、銭形さんは
H医大の心臓外科の名医執刀の元
心臓の手術を受けました。

てっきり元気にパワーアップして戻って来られると
誰もがそう思っていた。


上司から銭形さんが退院した
との話しを小耳に挿んだ時には
身体介護が必要になった。という事だった。


私は受け持ちの利用者さんを
ギッシリ受け持っていたので
銭形さんの介助には入らなかったのだけど。

ある日、上司の方からこう話があった。
「銭形さんの方から、おかかさんに来てもらいたいと指名があった。」
とのことで、久しぶりに訪ねてみると
そこには、変わり果てた銭形さんの姿があった。

あれだけ元気ハツラツとしていた方だったのに。。。
トレンチコートを颯爽と羽織って、
髪も常に黒く染め、オールバックで決めて
とてもおしゃれな方だったのに。。。
まるで別人!
痩せこけて頭が真っ白になり
一気に老け込み、90才の老人となっていた。


「銭形さん!ご指名ありがとうございます(笑)」
とベタベタなジョークを言うと

彼はニコリと微笑んで
「あなたは、いつもハツラツとして見ていると元気が出る。」
(お恥ずかしいのだけど、そう言って下さった)
と小さな細い声で話しを続けた。

「おかかさん、どうやら僕は誤った選択をしてしまったようだ。
あなたがおっしゃる通り、手術は受けるべきでは無かった。」

(受けるなとは言ってないけど)

「あなたはあれだけ慎重にと言ってくれたのに。
 医者のいう事を真に受けてしまい、
こんな姿になってしまった。。。。」


そう男泣きされました。

私は何とか銭形さんを励ましたいと
「銭形さん、弱気になったらアカンよ!
 また元気になって華やかに踊らんとね!
彼女が待ってはるよ~
 リハビリがんばりましょう!
大丈夫!
数々の修羅場をくぐり抜けて来た方なんだから!」


と、頭の中にある単語をありったけ引っ付けて返答した。
こんな言葉しか掛けてあげることが出来なかった。。。


誰が見ても余命、幾ばくも無い姿だった。

その後、すぐにまた入院されて
1か月も経たないうちに、旅立たれました。


99%成功すると言われた手術を受け、
たった1%の確率に当たってしまい命を落とした。

その時、私はこう思った。



生き物の身体というものは
色んな臓器や細胞が複雑に絡み合い
動かして生きる神秘な生きものなんだ。

どこか1か所が悪くなり、
その個所だけを修理すれば
ほらっ!元通り!!!
と機械のようには いかないものなのだな。。

どんな名医をして持っても
その人の身体のクセや特徴を
隅々まで把握しているわけではない。
というか、把握できるわけがない。

医者は過去の経験と検査結果、数値で医療を捉える。
もし、自分が万人にひとりの体質を持っていたら
それは医者の想定外となる。

だから、私は医者の言う事を100%信じていない。
その数パーセントが自分のまたは、家族の体質だったら
それは予防といえど、命を落とすことになる。

でも沢山の患者さんを抱えるお医者さんは
たった数パーセントの確率に当たる人の事を念頭に入れていたら
仕事にならないだろう。

だからこそ、自分の事や家族の事を
普段からよく観察し、
体質を知らなければいけないと思うのよ。

何か病気が発覚したら、最悪の事態も想定して
覚悟を決めることも必要な事なのだと
その上で判断しなければならないと思ったの。



人間は誰もが欲深い生きもので
赤ちゃんや動物のように、
本能と純真な心では動かない。

まだ大丈夫!
まだまだ人生を楽しみたい!
大切な人と一緒に居たい!


長い間、警察庁の殺人課という特殊な職につき、
死というものに真摯に向き合い、
残された家族のために尽力を尽くした人が
一番現実を見て来た人が、
生きることへの欲望が先行してしまい、
逆に命を短くしてしまう。

こんな悲しい結末に
ご本人が一番後悔されていた。


日々、想うの。
後悔しない人生を送るために
努力しないといけないこと。

人を恨まず妬まず、欲張らず、執着せず
自分自身を大切に、人を大切に。

乏しくとも心豊かに生きる。
これが一番大切なのではないかな。


色んな事を深く考えさせられた出来事でした。




深呼吸、大事やね。




今日のおかかは、えらっそうやわーーー☆
(笑)


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